【企画展】 薗部澄写真展 失われた日本の風景ー都市懐旧ー

大阪駅 1952(昭和27)年
町田市フォトサロンでは冬の企画展として、薗部澄写真展「失われた日本の風景-都市懐旧-」を開催いたします。
本展の作者、薗部澄(そのべ・きよし)は東京・佃島に生まれ、名取洋之助、木村伊兵衛から写真を学びました。太平洋戦争の応召でフィリピンへ。戦後は、『岩波写真文庫』などでカメラマンとして働いた後に独立。写真家として人と風土との関わり合いを追い求めて、日本各地の撮影を続けました。
今回の写真展では、一般財団法人日本カメラ財団の所蔵する薗部澄作品から、戦後間もない時期から昭和30年代半ばまでの東京をはじめとした街と人々をとらえた写真を展示します。
昭和100年・戦後80年を数え、街のあり方、人々の生活は大きく変わりました。本展の風景は懐かしさを超えて、おとぎ話に近いのかもしれません。そのようななかにも現在につながり、これからを見据える手がかりを見つけることができるのではないでしょうか。
一人の写真家が残した日本の風景を端正なモノクロプリントでご覧ください。
薗部澄写真展「失われた日本の風景-都市懐旧-」
会期:2026年1月10日(土)~2月8日(月) 会期中の休館日:火曜日
会場:町田市フォトサロン2階展示室
展示作品:モノクロ、40点
主催:町田市フォトサロン 展示協力:一般財団法人日本カメラ財団(ホームページ)
管理運営:NPO法人ワークショップハーモニー
会期中のイベント
ギャラリートーク(一般財団法人日本カメラ財団学芸員 宮﨑真二氏)
日時:2026年1月24日(土)14時から(90分を予定しています)
会場:町田市フォトサロン 参加費:無料(直接会場まで)

東京・佃島 1951(昭和26)年頃
薗部 澄(そのべ・きよし)
1921年(大正10年)2月14日 東京市京橋区佃島(現・中央区佃)生まれ。
1937年 京橋尋常高小卒業後、書店・金松堂(赤坂)に奉公し、ブロマイド販売のために暗室仕事を始める。
1940年 カメラ店・双美商会に転じて暗室と撮影に取り組む。
1943年 東方社に入社して暗室業務を担当し、木村伊兵衛に師事する。
1944年 応召、フィリピン戦へ従軍。1945年末に復員。
1947年 サン・ニュース・フォトスに入社。木村伊兵衛の助手を務めながら『週刊サン・ニュース』の暗室業務及び撮影を担当。
1950年 岩波映画製作所に入社。「岩波写真文庫」で約60冊の撮影を担当。
1957年 フリーランス。
1968年 『日本の民具 全4巻』(慶友社、1964-67年)及び『黒川能』(平凡社、1967年)で第18回日本写真協会賞年度賞受賞。
1989年 『忘れえぬ戦後の日本 東日本編、西日本編』(ぎょうせい、1988年)で第39回日本写真協会賞年度賞受賞。
1995年 『冬日本海』『冬北海道』(日本カメラ社、1994年)で第45回文化庁芸術選奨文部大臣賞受賞。
1996年(平成8年)3月5日 逝去。享年75歳。

東京・新宿 1951(昭和26)年6月20日
写真集
『北上川(世界写真作家シリーズ)』(平凡社、1958年)
『日本の郷土玩具 全6巻』(美術出版社、1962-63年)
『奈良六大寺大観 6、7、9、11、12、13巻』(岩波書店、1969-72年)
『奈良の寺 14、18巻』(岩波書店、1974年)
『日本の土人形』(文化出版局、1978年)
『ふるさと』(朝日新聞社、1983年)
『桜前線』(ぎょうせい、1990年)
お問い合わせ(町田市フォトサロン)
電話:042(736)8281